セラミックの被せ物や詰め物は、見た目の自然さや機能面の特徴から、審美目的やむし歯治療後の補綴として幅広く利用されています。しかし「セラミックはどれくらい持つの?」「老後まで維持できるのか不安…」と感じる方も少なくありません。特に、自由診療であるため本数によっては費用が高額になるケースも多く、その耐久性や寿命は治療を検討する上で重要なポイントです。今回は、セラミックの平均的な寿命や耐久性に関わる要因、さらに長く使い続けるためのケア方法や注意点について詳しく解説します。
1. セラミック歯は老後まで持つ?寿命はどのくらい?
セラミック歯は、見た目の自然さと機能性のバランスに優れた補綴素材のひとつです。適切なセルフケアと歯科でのメンテナンスを継続することで、使用期間には個人差がありますが、丁寧なケアを行うことで比較的長く使える場合もあります。以下に、セラミック歯の耐久性に影響を与える主な要素を紹介します。
①セラミックの寿命の目安は5〜10年程度
多くの資料では5〜10年が平均寿命とされており、日々の丁寧なケアと定期的な管理を行えば、15年以上使用される場合もあります。
②土台となっている自分の歯の健康状態が影響する
セラミック自体は劣化しにくい素材ですが、支えている天然歯がむし歯や歯周病になると、再治療が必要になることがあります。
③加齢にともなう口腔環境の変化に注意
年齢とともに歯ぐきが下がったり、噛み合わせが変化することで、セラミックの適合状態に影響を与えることがあります。
④歯ぎしりや食いしばりへの配慮
強い力が継続的に加わることで、セラミックにひびが入ったり欠けたりする可能性があります。ナイトガードの装着などで破損のリスクを軽減することができるでしょう。
⑤使用する素材によって耐久性が異なる
ジルコニアやe.maxなど、耐久性が高いとされる素材を選ぶことで、長期間の使用が期待できる場合もあります。目的や費用に応じて、歯科医師と相談の上、選択することが大切です。
見た目に異常がなくても、内部で問題が進行していることがあります。年1〜2回の定期検診を通じて、セラミックや土台の状態を確認し、早期の対応につなげましょう。
2. セラミック歯を長持ちさせる方法
セラミック治療は、保険適用外の自由診療であるため、全体の費用が高額になるケースもあります。そのため、治療後に長期間良好な状態で使用し続けるには、日々のケアや予防的な対応が重要です。
①正しいブラッシングを継続する
セラミック自体はむし歯になりませんが、接着されている天然の土台の歯はむし歯や歯周病のリスクがあります。特に歯とセラミックの境目にはバイオフィルム(汚れ)が溜まりやすいため、歯ブラシを斜めに当て、やさしく丁寧に磨く習慣をつけましょう。
②フロスや歯間ブラシを併用する
歯ブラシだけでは清掃が難しい歯間部には、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が有効です。これにより、セラミックの周囲にたまった汚れを除去する事で、歯ぐきの炎症やむし歯の予防につながります。
③硬い食べ物は控えめに
セラミックはある程度の強度がありますが、氷、アメ、ナッツなど硬い物を頻繁に噛むことで、欠けやひび割れが生じる可能性があります。食習慣を見直し、セラミック歯の負荷を避けることが重要です。
④歯ぎしり・食いしばりに注意する
無意識に強い力が加わる歯ぎしりや食いしばりは、セラミックや土台の歯に過剰な負担を与える原因になります。就寝時にはナイトガード(マウスピース)を使用するなど、歯科での対策を検討しましょう。
⑤定期的な検診を受ける
セラミックは見た目には問題なく見えても、内部では接着部分の劣化や土台の歯にむし歯が進行している可能性があります。こうした異常は自己判断が難しいため、3カ月~半年に1回を目安に歯医者での定期検診を受け、専門的なチェックを受けることが望ましいとされています。
セラミックが外れたり欠けたりした場合は、自己判断せず、できるだけ早めに歯医者で対応を受けることが重要です。放置すると土台の歯に影響が出たり、再治療が複雑になる恐れもあります。
3. セラミック治療を始める前に知っておきたい注意点
セラミック治療は、見た目の自然さや金属アレルギーのリスクが低い点などから、多くの方に選ばれている治療法の一つです。ただし、いくつかの注意点もあるため、事前に内容をしっかり把握し、自分に合った治療かどうかを見極めることが大切です。
①保険適用外で費用が高額になることがある
セラミック治療は自由診療に分類され、1本あたり数万円〜十数万円の費用がかかるのが一般的です。使用する素材や治療範囲によって価格に差があるため、事前に治療内容と見積もりをしっかり確認しておくことが大切です。
②土台となる歯の状態が良くないと適用できない
セラミックはあくまで被せ物であり、土台となる自分の歯の状態が治療の成否を左右します。むし歯や歯周病が進行している場合は、まずその治療が優先されるため、適応できないケースもあります。
③定期的なメンテナンスを継続する
セラミックは「被せたら終わり」ではなく、良い状態の維持のためにも、定期的なメンテナンスが必要です。特に歯ぐきとの境目に汚れがたまりやすいため、プロによるケアと検診を年2〜4回のペースで受けることが推奨されます。
④歯ぎしり・食いしばりがある方は注意する
セラミックは硬い反面、強い力が加わるとひび割れや破損のリスクがあります。歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガード(就寝時用マウスピース)での保護を検討しましょう。
⑤他の素材に比べて調整が難しいことがある
セラミックは一度焼き上げて固めるため、調整や部分修復が難しいという特徴があります。欠けた場合、全体を作り直す必要があります。
⑥色味の選定が仕上がりに影響する
審美性を重視する治療では、隣の歯との色合わせが重要です。合っていないと不自然に見えるため、色選びの際は歯科医師と十分に相談し、仕上がりイメージを共有しておくことが大切です。
4. 大宮の歯医者 大宮マルイPremiumデンタルクリニックのセラミック治療
大宮マルイPremiumデンタルクリニックでは、見た目の美しさはもちろん、金属アレルギーやむし歯の再発リスクにも配慮したセラミック治療を提供しています。
従来の金属を使った治療では、金属アレルギーや見た目の違和感が生じる事があり、再治療にも繋がりやすくなります。
当院では、身体への配慮と機能美の両立を目指し、金属を一切使わない“メタルフリー”のセラミック治療をご用意しています。
お悩みやご希望に合わせて、複数の素材から最適なものをご提案いたします。
≪オールセラミック≫
透明感と自然な白さが特長。変色や汚れが付きにくく、美しさを長く保つ事ができます。
≪ジルコニア≫
人工ダイヤモンド(キュービックジルコニア)にも使われる強度と耐久性がある材料になります。特に、強い力がかかる奥歯に適しています。
※見た目の自然さはセラミックに劣る場合がありますが、表面にセラミックを盛ることで強さと見た目を両立させたジルコニアセラミックという材料もあります。
当院のセラミック治療のこだわり
大宮マルイPremiumデンタルクリニックでは、「歯を守る」ことを最優先に考え、かぶせ物や詰め物の製作時も歯の削除量は最小限にすることを心がけています。
▼セラミック治療の詳細はこちら
まとめ
セラミックは、見た目の自然さと機能性に配慮された補綴素材として、多くの歯科治療で使用されています。ただし、永久に使えるわけではなく、寿命は5〜10年が目安とされます。長期的に良好な状態を維持するためには、日常的なケアと歯医者での定期的なチェックが不可欠です。治療にかかる費用や素材の選び方に不安がある場合は、まずは歯科医師に相談してみることをおすすめします。
大宮駅周辺でセラミック治療をご検討中の方は大宮マルイPremiumデンタルクリニックまでお問い合わせください。
監修:鈴木 慧
略歴:
2010年 奥羽大学歯学部卒業
2010〜2011 年 奥羽大学附属病院にて臨床研修
2011〜2022年 東北地方の複数の歯科医院にて勤務
2023年 奥州Premium MT歯科・矯正歯科 院長就任
所属学会:
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
スタディーグループ いいづな総合歯学研究会(ITDC) 所属
宮下矯正研究会 ドミサイル研究会 所属