セラミック治療は、天然歯に近い見た目と強度を備えた審美性の高い治療方法として患者さんにとても良く選ばれます。しかし、「何度作り直しても割れてしまう」「気づいたら欠けている」など、繰り返し破損してしまうトラブルに悩まされている方も少なくありません。高額な費用をかけて治療したのに割れてしまうと、不安や不満を抱いてしまう方もいるのではないでしょうか。今回は、セラミックの歯が何度も割れる原因や、割れやすい方の特徴、対策方法について解説します。
1. セラミックの歯が何度も割れる原因
セラミックは見た目が自然で透明感があり、強度もある素材とされていますが、過度な力が加わると割れるリスクがあります。特に、同じ箇所が何度も割れてしまう場合には何かしら原因がある事が多いため、原因をしっかりと明確にすることが大切です。
①噛み合わせのバランス不良によるもの
最も多い原因のひとつが噛み合わせの不良です。上下の歯が正しく噛み合っていないと、セラミックに過剰な力が集中しやすくなり、割れや欠けのリスクが高まります。
②歯ぎしり・食いしばりによるダメージ
無意識に行われる歯ぎしりや強い食いしばりは、セラミックに非常に大きな負荷をかけてしまうことがあります。特に就寝中に力が加わることが多く、知らないうちにダメージが蓄積されてしまうことがあります。
③セラミックの厚み不足による破折の可能性
セラミックの被せ物が薄すぎると、強度が足りず割れやすくなるケースがあります。特に歯の形状やスペースが不十分な場合、セラミックの設計に無理が生じてしまうことがあります。
元々の咬み合わせが影響している事も多く、反対側の歯の咬み合わせも含め調整が必要になる事があります。
④セラミックの接着不良によるもの
土台とセラミックの接着が不十分だと、噛んだときの衝撃に耐えられず、破損や脱離に繋がることがあります。
同じ箇所が繰り返し問題を起こす場合は、これらの原因が複数関係していることもあります。単に「セラミックが弱いから」と決めつけず、歯科医院に相談しましょう。
2. セラミックの歯が割れやすい人の特徴と対策
セラミックの歯が割れやすい方には、いくつか共通した特徴があります。該当する場合は、治療前後に対策が必要になる事があります。
①歯ぎしり・食いしばりがある人
特に就寝中に歯ぎしりをする癖のある方は、セラミックへのダメージが蓄積されやすくなります。また、癖で日中も無意識に歯を食いしばってしまう方は特に要注意です。
これらの特徴がある方は、ナイトガード(就寝時のマウスピース型の保護装置)の装着を検討することがあります。就寝中に使用することで、セラミックへの過度な力を軽減することができます。
②ストレスを抱えやすい人
精神的なストレスが多い方は、歯ぎしりや食いしばりの頻度が高まり、セラミックが割れやすくなります。
ストレスマネジメントやリラクゼーション習慣を取り入れることが、口腔内のトラブル防止に繋がることがあります。
③噛み合わせが悪い人
噛み合わせが悪いことで、一部の歯に力が集中し、セラミックがダメージを受ける原因になる可能性があります。
被せ物をセットする前に、歯科医院で診察を受け、必要であれば咬み合わせの調整も行いましょう。
④定期的な運動習慣がある人
力を入れる場面が多いスポーツでは、無意識に歯を食いしばることが多く、それに伴い咬合力も高まりやすくなります。
運動中にもマウスピースを使用する、あるいはナイトガードの併用を考えても良いでしょう。
セラミックの歯は正しい使用とメンテナンスが大切です。割れやすくなる特徴を理解したうえで、適切な対策を行うことが再治療のリスクを減らす鍵となります。
3. セラミックの歯が割れてしまった場合の対処法
セラミックの歯が割れてしまったとき、焦って自己判断で放置したり、無理に使い続けたりすると、症状が悪化してしまうこともあるため、正しい対処が重要です。
①割れた場合は破片を飲み込まないよう注意
割れたセラミックが口の中に残っている場合は、誤って飲み込んだり肺に吸い込んだりしないよう、速やかに取り除いてください。破片が鋭利なこともあるため、舌や口内を傷つけるリスクもあります。
②破損部分を確認し、できるだけ早めに歯科医院へ
セラミックの一部が欠けただけか、内部の土台まで損傷しているかによって処置が異なります。自己判断では程度の判断が難しいため、早めに歯科医院を受診し状態を確認してもらいましょう。
③自己判断での応急処置は避ける
市販の接着剤で破片を戻すような自己処置は絶対に避けてください。口腔内で安全に使用できる素材ではなく、かえって状態を悪化させる可能性があります。
④再治療を行う前に原因を精査する
セラミックが割れてしまった場合、単なる再作製では根本的な解決にはならない事があります。咬み合わせの確認や素材選びなど、処置前に修正や改善が必要となることがあります。
セラミックが割れてしまった際には、慌てず、まずは歯科医院で状態を正確に把握することが大切です。早期対応が、追加のダメージや新たなトラブルの防止に繋がります。
4. 大宮の歯医者 大宮マルイPremiumデンタルクリニックのセラミック治療
大宮マルイPremiumデンタルクリニックでは、見た目の美しさはもちろん、金属アレルギーやむし歯の再発リスクにも配慮したセラミック治療を提供しています。
従来の金属を使った治療では、金属アレルギーや見た目の違和感が生じる事があり、再治療にも繋がりやすくなります。
当院では、身体への配慮と機能美の両立を目指し、金属を一切使わない“メタルフリー”のセラミック治療をご用意しています。
お悩みやご希望に合わせて、複数の素材から最適なものをご提案いたします。
≪オールセラミック≫
透明感と自然な白さが特長。変色や汚れが付きにくく、美しさを長く保つ事ができます。
≪ジルコニア≫
人工ダイヤモンド(キュービックジルコニア)にも使われる強度と耐久性がある材料になります。特に、強い力がかかる奥歯に適しています。
※見た目の自然さはセラミックに劣る場合がありますが、表面にセラミックを盛ることで強さと見た目を両立させたジルコニアセラミックという材料もあります。
当院のセラミック治療のこだわり
大宮マルイPremiumデンタルクリニックでは、「歯を守る」ことを最優先に考え、かぶせ物や詰め物の製作時も歯の削除量は最小限にすることを心がけています。
▼セラミック治療の詳細はこちら
まとめ
セラミックの歯が繰り返し割れてしまう原因には、噛み合わせや歯ぎしり、素材選びなど様々な要因が絡んでいることがあります。まずは割れやすい原因を見極め、自分に合う治療を行うことが再発防止への第一歩です。また、割れてしまった場合でも焦らず、正しい手順で治療を受けることが大切です。普段のケアや生活習慣の見直しも、セラミックを長持ちさせるために欠かせません。
大宮駅周辺でセラミックの歯にお悩みの方は、大宮マルイPremiumデンタルクリニックまでご相談ください。
監修:鈴木 慧
略歴:
2010年 奥羽大学歯学部卒業
2010〜2011 年 奥羽大学附属病院にて臨床研修
2011〜2022年 東北地方の複数の歯科医院にて勤務
2023年 奥州Premium MT歯科・矯正歯科 院長就任
所属学会:
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
スタディーグループ いいづな総合歯学研究会(ITDC) 所属
宮下矯正研究会 ドミサイル研究会 所属